第1回官民連携した雇用情報システム(仮称)運営協議会議事要旨 1 日 時 平成12年10月6日(金)16:00〜18:00 2 場 所 虎ノ門パストラル本館8階「しらかば」 1 出席者 以下の参集者(敬称略)が出席した。 諏訪座長、會本、河西、木ノ内、三村、松井、吉村、生田 4 議 題 (1)労働力需給の適正かつ円滑な調整を図るための官民連携の在り方につ          いて       (2)官民連携した雇用情報システムについて       (3)その他 5 議事経緯 (1) 諏訪座長が選出された。 (2) 協議会の公開について、協議会は非公開とし、議事要旨を作成の 上公開とし、資料は原則公開とすることとされた。 (3) 官民連携した雇用情報システム(仮称)の構築(素案)等につい て、労働省より説明があった。 (4) 労働力需給の適正かつ円滑な調整を図るための官民連携の在り方 について、意見交換が行われた。 (5) 次回の協議会を平成12年10月26日(木)に開催することと された。 〔主な議論の概要〕 ○ 求人情報誌業界の中には、今回の構想について、唐突な感が否めず、官による巨大な ポータルサイトの形成は民間機関の行っている独自の試みを阻害し、健全な労働市場の発 展を阻害する懸念から、賛成しかねるという声がある。官民の連携の在り方についての十 分な議論が必要ではないか。 ○ 民間の職業紹介事業者においても、職業安定法の改正を踏まえた対応は様々である。 今回の構想については、時間的な余裕をもち段階をおって対応することを可能とできるか に一番の関心がある。 ○ このシステムについては、どのような形にしたら、いいものとできるかという観点で 検討すべきではないか。 ○ 民間の職業紹介事業者には小零細のところも多く、そうしたところにも利用しやすい ものとしていただきたい。  使用者団体としては、安定法・派遣法の改正時点から、ITに対応したシステム作りを 主張しており、インターネットを活用した手法であるこのシステムの立ち上げ構想は大変 ありがたいものである。できる限り多くの団体、事業者がこのシステムに参加し、システ ムがより使いやすいものになってほしい。システムの設計については、各企業・団体にと って使いやすいものとすべきであり、業態等に共通のモデルとしてシステムが作られるこ ととなろうが、各事業者においては参加の自由も含めこれに拘束されない自由度が確保さ れれば、特段の問題は生じないのではないか。 ○ 巨大なポータルサイトの形成は民間機関の努力を阻害し、労働市場にとって中長期的 にマイナスとならないかという懸念がある。諸外国に官民が一緒に情報提供されている例 があるのか。 ○ 今回の構想の大前提には、職業安定法の改正やILO第181号条約の批准等を踏ま え、民間機関に積極的に活躍してほしいという考えがあり、そのためのメニューとしては 他のものもあり得るし、そのメニューはどんどん出していただきたいと考えている。 ○ このシステムの位置づけは、民間の情報を官がとりあげるというものではなく、運営 はあくまでこの運営協議会の議論を踏まえ行われるものである。官のみによる需給調整に は限界もあり、民間機関の利用を促進する観点から、民間の自由参加・自由利用を前提と して、官民共通の掲示板となるこのシステムを経由して民間の保有する詳細情報にアクセ スしてもらおうとするものである。   ○ 諸外国で近いものとしては、オーストラリアで民営化された公共職業安定所の情報と 純粋の民間の情報が提供されている例があると承知している。 ○ 官が無料でシステムの運営を行い、その中で官と民が一体に扱われてしまうとすれば 、有料である民間機関における独自の努力はなくなってしまうのではないか。公共職業安 定所の未充足求人について求人情報提供事業者が協力する等、このシステム以外にも協力 の仕方があるのではないか。   ○ オーストラリアの例については、公共職業安定所が民営化されており、官民一体とは 言えないのではないか。 ○ 今回のシステムにおける安定所の情報提供については、求人者名は公表しない考えで あり、既に存在しているハローワークインターネットサービスを前提とすれば、今回の官 民連携した雇用情報システムを設けることによって、民間独自の努力を阻害し、圧迫する とまでは言えないのではないか。 ○ 公共職業安定所の未充足求人を求人情報提供事業者に提供することについては、収集 情報が公共財である以上、一部の事業者の方にだけ提供するということは難しく、最も情 報の入手を希望するのが求職者であることからも、仮に提供するとすれば広く一般国民に 対し公開するという方法を採らざるを得ない。 ○ イギリスが求人者名を非公開としている理由を整理してもらいたい。 ○ 官によるシステムの運営は問題であるという意見があるようだが、このシステムを利 用しやすいものとして、それを使って民間が利益を受けるところがあり得るし、民間が自 由に利用できるものとすれば問題ないのではないか。 ○ 具体的な懸念を指摘していただいて、その懸念のないようにしていけばよいのではな いか。 ○ 官民の役割論をきちんと議論すべきとの趣旨から発言しているが、求人情報提供事業 の場合には求人開拓段階に価値を見い出して情報の提供段階で課金しており、公共職業安 定所で求人者名を公表した形で情報提供を行うとすれば、職業紹介ではなく文書募集とい うことになるのではないか。 ○ 民間でもこのシステムによるメリットを受けることが可能なところが出てくるであろ うが、民間には様々な立場があることも認識の上で議論してもらいたい。 ○ 民間においては、インターネットを活用した求人情報の提供等に取り組んでいると承 知しているが、こうした取組みも踏まえずに検討が進んでしまうと、労働市場の健全な発 展について将来の懸念があるのではないか。 ○ 消費者の立場でみると、労働市場においては、労働者のためのセーフティーネットと して公共職業安定所が役割を果たすべきであるとして、在職中の転職予定者については、 インターネットの活用ということも検討すべきである。アメリカではAJBという巨大な 求人情報提供サイトがあっても、民間は機能を発揮していると思うがどうか。 ○ 公共サービスにも選択肢があることには価値があると思うが、長い目で見てこのシス テムが労働市場を歪めることとならないかの懸念がある。アメリカでは、多様な民間のサ イトもあり、官が官民一緒に扱うサイトを作る必要はないのではないか。 ○ 新しいものに対する懸念があることはわかるが、官民を含むこのシステムを使って詳 細の情報についてはそれぞれの機関が利用されるようにしようというものであり、それぞ れのサイト等へのアクセス方法としては良いシステムだと思うし、それぞれの機関にアク セスした段階でそれぞれの機関による工夫が可能な仕組みであると考えている。民間の様 々な試みを前提として、このシステムはそれらの情報にアクセスする際の1つのチャンネ ルとしての意味があるのではないか。 ○ 巨大なサイトが入口となると、求人情報提供事業者において形成してきたそれぞれの ブランド、工夫を阻害してしまう懸念があるのではないか。 ○ 議論は引き続き継続することとしたい。その際、?労働市場におけるセーフティーネ ットとしての公共職業安定所とこのシステムの役割、?消費者の視点からみてどのように 考えるのか、についての整理をしてもらいたい。 ○ 情報の受け手がどのような利便性を得られるかについての検証が必要ではないか。ま た、このシステムについては、マッチングのツールとしての機能は期待できるが、紹介事 業者からみると、あまりに多くの求職者が来られるのもつらい面がある。こうしたことも 踏まえ、公共職業安定所と民間職業紹介事業者との果たすべき役割の整理が必要ではない か。 ○ このシステムが導入された段階でも、求人者から料金をとるという意味で、民間職業 紹介事業者として提供できるサービスということが問われることとなろう。 ○ 官民の関係の在り方を考えるに当たっても利用者の視点が重要であり、その意味で、 このシステムは求める情報に到達するための手間、時間を少なくすることを可能とする意 義は大きいのではないか。 ○ このシステムの政策効果についてのシミュレーションを可能な限りやってもらいたい 。 ○ 経営者団体では、求人情報をホームページで閲覧できる仕組みを設けているが、それ 以外に産業雇用安定センター、人材銀行、安定所でも情報を提供するかどうかを確認する と、ほとんどの企業は積極的に提供したいという意向を持っている。求人者のニーズとし て、どこでも情報を見られるようにして検索にヒットする件数が多くなれば、マッチング も多くなると考えている。 ○ 今回の議論は次回に継続することとし、今回の議論の論点を整理して進めていきたい 。労働市場の健全な発展を目指すということについては関係者の総意であるし、インター ネットの活用が重要であるというについても合意があると理解された。その上で、合意さ れていることを前提に仕組みの具体化を進めることとするが、現状を踏まえてよりよい仕 組みの構築に向け、議論を進めていきたい。 (以上)