第3回官民連携した雇用情報システム(仮称)運営協議会議事要旨 1 日 時 平成12年11月1日(水)10:00〜12:00 2 場 所 虎ノ門パストラル本館6階「雅」 3 出席者 以下の参集者(敬称略)及びヒアリング対象者が出席した。 諏訪座長、會本、河西、木ノ内、三村、松井、吉村、生田 4 議 題 (1) 利用者ヒアリング       (2) 労働力需給の適正かつ円滑な調整を図るための官民連携の在り方につ          いて       (3) 官民連携した雇用情報システムについて       (4) その他 5 議事経緯 (1) 利用者ヒアリングを実施した。        (2) 官民連携した雇用情報システム(仮称)に係る意向の把握等につ           いて、労働省より説明があった。        (3) アンケートの実施等について、意見交換が行われた。 〔主な議論の概要〕 (1) ヒアリング ○ 求人者の立場からみて求職者に対し、広く公平に情報が提供されることがベストであ る。現在は、ハローワークや情報提供媒体を利用しているが、現状の仕組みのみでうまく 人材確保が行えるかは疑問である。 このようなシステムは、求人がより多くの人の目に触れるようになる意味があり、早く立 ち上げてほしい。求職者にとっても、自身にフィットする会社を探すのには相当な労力、 時間が必要であるが、情報の一元化でその負担が軽減され、ひいては失業期間の短縮、家 庭生活の安定につながるものと考える。システムに対する要望として申し上げる点は、 1 参加機関が多くなることが望ましく、 また、自由裁量の幅を大きくして参加しやすいものとしてほしいこと、 2求人情報の検索 による民間機関の利用という目的にしぼって行ってほしいことである。求職者情報の提供 についても、このようなシステムを早急に作ってほしいと考えている。 ○ 労働組合として、組合員の仕事を探すことに血眼になっている中では、情報が速やか に提供されることが重要であると考えており、今回のシステムについては現状から一歩前 進と感じている。 このようなシステムを作ると民間機関にマイナスの影響があるという考え方もあり得るの かもしれないが、民間機関の力は大きいので心配はないし、十分やっていけると思う。本 当に困っている人にいかに1つでも多くの有益な情報を提供するかという視点で考えてほ しい。 また、後々は、求人のみならず求職についてもこのようなシステムを作ってほしいと考え ている。 ○ 新卒、既卒、障害者の採用を担当しているが、既卒、障害者の募集・採用はなかなか 難しい。人材確保が難しい中で、現状は情報が孤立化しているという感想を持っている。 情報の共有化は重要であり、このようなシステムはもっと早くからあるべきだったのでは ないかと思う。 既卒者について言えば、自分のスキル等をすべて公開しないと企業は会ってもくれない状 況にある上、ハローワークに通うことについては、手間がかかるだけでなく、世間体等か ら後ろめたく感じている人もおられると思うので、このシステムは自宅からアクセスでき るようにすべきである。 システムについてはアクセスしやすいものにする必要があり、いきなり大きなものを作る のではなく、小さなものでトライアル的にスタートするという考え方がよいのではないか 。とにかく早くスタートした方がよい。ただ、このシステムの創設に当たっては、求人情 報誌や人材紹介に携わっている人の立場にも配慮する必要はあると思う。 ○ 全国の組合員の就職問題に自分で関わった経験からは、できるだけ多くの情報をスピ ーディーに提供することが重要である。そのためにはインターネットは有用だと思うが、 どのサイトにどのような情報があるかわからないのが現状である。このため、民間の求人 情報が集約されて、民間のサイトを利用しやすくなるこのようなシステムには大きな意義 がある。なお、ハローワークについては、実際に行かなければ情報を見られないというの はニーズに適っているのか疑問であり、求人情報について企業名の公開を検討すべきであ る。 官民一体のこの協議会というのは非常に意義深いものだと思う。現在の雇用情勢を考慮す れば、官民いろいろな意見はあろうが、社会全体の仕組みとして質量ともに意味のある情 報がスピーディーかつ簡易に得られる仕組みを形にしてほしい。 (2) ヒアリングに関する質疑 ○ このシステムは求人情報提供事業者に与える影響が大きいものだと考えている。労働 組合として、人材の流動化ということについてどのように考えておられるのか。 ○ 組合員はまだ終身雇用の意識が強く、それを守るというのが組合として第一にある。 ただ、現状としては労働移動を避けることはできないことから、このようなシステムは必 要だと思う。組合としても、紹介や情報提供を行っているが、その際、ハローワークの求 人について、企業名の公開が必要であるとの認識を持った。 ○ ハローワークの使い勝手について、どのように感じておられるか。 ○ 人材を確保できる可能性のあるところにはすべて行くようにしており、ハローワーク もよく利用しているが、内容及び質的には民間の人材紹介事業者の方が高いと思う。 ○ エンジニア系の人材が欲しいときには民間機関を利用し、高齢者や障害者の場合には 求職者の実態から、ハローワークというように、結果として欲しい人材によって使う機関 が異なる。 特定の能力のある人を求めるという企業の行動があり、こうした人が在職中に転職を希望 した場合に、こうしたシステムにより家庭からも求人情報を見られるようになると、マッ チングの可能性が高まると思う。 マッチングのすべてがこのシステムで完結するとすれば、求人情報誌はつらいと思うが、 このシステムがあくまで基本的な検索のみであり、その先の情報の閲覧等については今ま でのとおり民間機関が利用されるのであれば問題はないと思う。 ○ 今回のシステムで企業名非公開となるとどう思われるか。 ○ 求人企業名がないと、社名を見て感覚的に選ぶ人が多い中、情報がないに等しい面が あり、求職者の行動に結びつきにくいと思う。その意味で、現状では、情報を見ても、ハ ローワークには行かないということがあるのではないか。 ○ 日本では、企業名が就職を左右している面は大きいと思う。職業紹介を行いマッチン グするとして、その後のフォローアップが重要であり、その点では、民間機関の方が小回 りが利く面があると思う。 ○ 求人企業名の出ないサイトで採用活動を行ったことがあるが、面倒でうまくいかなか った。求人は、件数よりも内容が重要であると思う。 ○ いくら保有件数が多くても、システムに古い情報が長い期間出ているのでは意味がな いと思うが、どう考えられるか。 ○ 紙媒体を使っているとそのような傾向が生まれると思う。インターネットの場合、容 易に更新できると思うので、きちんと運営して欲しい。 ○ 民間機関とハローワーク、両者における求人のレスポンスの違いはどのように考えて おられるか。 ○ 民間の場合には、商売なのでスピード重視、サービス重視の傾向があるのに対して、 ハローワークはこちらから出向かなければならず、両者の対応の違いは大きい。結果とし て、対象となる人材は違ってくる。 ○ 民間は投資効果などを考えて行動するので活力があるのではないか。 ○ 民間機関とハローワークで、掲載できる求人の情報量に違いはあると感じておられる か。 ○ ハローワークの場合には既定の求人情報フォーマットに限られているが、民間機関の 場合には掲載情報のニーズに応えてくれるという印象がある。 ○ 紙媒体の場合にはスペースで課金されるのに対して、インターネットの場合には必要 なだけ情報を表示可能であり、かつ、応募者の反応スピードも圧倒的に早いので、インタ ーネットにシフトしていくこととなるのではないかと思う。 ○ ハローワークでの求職活動については追いつめられているという印象があるのに対し て、インターネットの場合はそうではないので、より冷静に考え、選ぶことができるので はないかと思う。 ○ 求人情報誌には企業のことが尋ねられるのに対し、ハローワークではそれが聞きにく い面がある。 ○ このシステムが出来た場合、端末をハローワークに置いたら求職者は見に行くと思わ れるか。 ○ 行くことはあろうが、台数の制約もあり、つらい面があると思う。パソコンは各人保 有という状況にはないので、組合の事務所で検索させてきたということがある。社会で支 える仕組みとして、図書館等の色々なところで、自分があいている時間に見られることが 望まれると思う。 ○ トライアル的という意味について、お伺いしたい。 ○ 構想ばかりではなく、一日も早く立ち上げて欲しいという趣旨である。 ○ 求職者情報の提供の拡大に対してどう考えるか。 ○ 求人と求職がマッチングしやすくしてもらいたいので、一元的にみられる双方向のシ ステムが望ましいと思う。 ○ 企業からみて、インターネットの普及状況についてどのように認識しておられるか。 ○ 現状では使いこなしている層は少ないと思うが、主婦層をはじめとして拡大してきて いると思う。 ○ システムがあれば便利だとは思うが、これによる影響のある求人情報誌としては悩ま しい面がある。官は民のできないところに対処するという行政改革や規制緩和の理念に照 らして、このシステムについてどう思われるか。 ○ 失業者が一番困っているので、システムを一日も早く構築してほしい。それにより求 職者の求職活動の方法も広がっていくことになるのではないか。求人情報提供事業者の方 には自助努力をしていただきたいし、努力をする民間機関にはしっかりとした存在意義が あると思う。また、民間機関がおそれる位になって、初めてこのシステムは成功というこ とになるのではないか。 ○ 民間機関はアフターケアも充実しており、こういったことはハローワークにはできな いと思う。このようなシステムができれば、かえって民間機関が強くなるのではないか。 ○ 求人名を出した場合、求人側が求めない人も応募してくることになると思うが、その 点についてどのように考えられるか。 ○ 求めていない人が来る場合には、「こちらはこんな人が欲しい」ということを明確に するよう情報の出し方を変えるようにしている。 ○ すべての情報を出したくない企業もあると思うが、どう考えられるか。 ○ 情報を出したい場合には、出せるようにする枠組みを作るということが基本だと思う 。 (3) 意見交換 ○ ヒアリングの意味は大きかったと思うが、これにあまり引っ張られないで議論するこ とも必要ではないか。 ○ これからの議論の力点をどこに置くかが大事であるが、ヒアリングでもあったとおり 、すぐにスタートさせることが重要であると考える。求人情報提供事業者や職業紹介事業 者にとって困る点があるのなら、どのようなところが困るかを具体的に示して欲しい。そ の上で、問題点に対応していくという手法で議論すればよいのではないか。 アンケート調査を実施したとしても、今日とほぼ同じ結果が出るのではないか。限られた 時間内で行うので母集団が少なくなることも念頭に置く必要があるが、そこまでしてアン ケート調査を実施する必要があるのか。 ○ 早く立ち上げるべきという意見は理解できるが、スムーズに運営し、どんどん良いシ ステムにしていくためには、このシステムが動きだした時に求職者・求人者が困る点をよ く整理して議論すべきだと思う。 ○ 問題となる可能性があるというだけでは議論が進まないので、具体的な問題点を示し て欲しい。 システムの影響については、求人情報提供事業者や職業紹介事業者のみの問題ではなく、 労働者を採用しようとするすべての企業にとっての問題もあると思う。ハローワークの現 状には不満があり、システムに民間機関も参加することで、全体としてよりよい仕組みと なるのではないかと考えている。 ○ どこに問題点があるかがはまだつかみ切れていない。官民ともに、より効果的・効率 的に機能するより良い仕組みにしていくべきであると認識している。 行政と民間の棲み分けについてまだ見えていない感じを抱いており、とにかくシステムを スタートさせるというのもよいが、問題点があり得るとすれば、そこに留意しながらとい うことが必要ではないかと思う。 ○ 具体的な仕組みの案があると、議論し易いということでよいのか。 ○ そう理解している。案が作れる段階まで早く進めるべきだと思う。 ○ ヒアリングをした労使とも早く進めて欲しいという認識があり、その際、官民一体で の取組みが重要だということであろう。問題点、具体的な考え方を示してもらいつつ、事 務局でつめていってもらってはどうだろうか。大学生の就職活動にはインターネットが活 用されており、新しい世代はネット化が急速に進んでいると思う。 ○ 資料No. 6について、1の対象は学卒のみと理解してよいか。 ○ そう理解いただいて結構で、それ以外の求職者については2で対応するということで ある。もちろん求職者が学卒求人か否か、情報を選別できるような仕組みは確保するが、 ハローワークインターネットサービスでは新規学卒者に対する情報を載せるのは困難なの で、1の(2) のようになるということである。 ○ 求人者の無駄を省くためにも、年齢について、何歳くらいまでというのを入れるのが 実情に合うのではないか。 ○ 資料No. 4のAJBの方にある「求められる資格」がこのシステムにはないが、これ を活用すれば求職者をうまく絞り込むことができるのではないか。現状では年齢では制限 しにくいであろう。 ○ 時代の流れからすれば今は年齢よりスキルと言えるのではないか。 ○ 年齢不問の求人はあまり多くないのが日本の現状だと思うので、詳細情報にいっても 無駄足になってしまうことのないよう、実態が分かるような仕組みがあってよいのではな いか。 ○ スキルについての扱いが確実ならば、求職者に対する縛りはそれでよいのではないか 。 ○ 「求められる経験」はこのシステムではどれに当たり、どこで示せることになるのだ ろうか。 ○ 「求められる経験」については特記事項で対応可能である。年齢制限については、検 索の効率を上げるという点からは入れることも検討できると思う。 ○ 年齢差別の禁止については、アメリカに引き続き、EUもその旨の指令を出すと聞い ており、盛り込んでもすぐ削るような事態になるのが心配である。 ○ ILO181号条約でも、年齢の扱いについては各国の国内法令や慣行によるとされて いると理解している。 ○ 年齢の欄については、数年先のことを考えた方がいいのではないかと思う。当面は特 記事項の欄などに書けるようにすればよいのではないか。 ○ 新卒を育てる、という発想は日本以外にはあまりない。 ○ 成果主義が徹底してくれば年齢は関係ないということになろうが、日本の現状はそこ まで来ていないのではないか。また、EUが指令を出すからといってそれが全世界にまで 広がるかどうかも疑問であるのではないか。 ○ アンケートについての提案として、「パソコンの使用」については、会社や自宅など 、どこで使っているかも書かせてはどうか。また、「わからない」という項目をうまく使 ってみてはどうか。 ○ どこで利用するか、ということに関連して、使う媒体についても、パソコンに限られ ないのではないか。 ○ 携帯電話を使ってインターネットを見るというケースもあり、無視するのは良くない だろう。コンシューマーに柔軟に対応すべきである。 ○ 「求人情報誌」、「新聞広告」という項目は「求人広告」と一本にしてしまってよい のではないか。 ○ 「インターネットの求人情報」といっても、各社のホームページを見るのと情報サイ トを見るのとでは違うのではないか。 ○ アンケートの実施についてはまさに今回議論して決めていただいた内容で行うもので あり、意見を踏まえ、座長と御相談した上で具体的なものにしたい。 ○ 「どこで使っているか」、「どうアクセスしているか」、については、項目から落と していたが、再設計したい。「わからない」という選択肢も盛り込んではどうか。各社ホ ームページと情報サイトについても、扱いを別にしてはどうかと考えている。アンケート についてはその他にもいろいろ工夫させてもらって、とりあえずニーズ、実情を把握する という目的の下で実施することとする。 ○ 委員から資料等あれば提出していただきたい。 ○ 資料を用意しているので、次回に議論していただきたい。 ○ 次回は11月15日(水)の午前中10:00から、次々回は12月1日(金)の午 前中ということで、よろしくお願いする。 (以上)